2022年度

第47回全国高等学校総合文化祭 弁論部門 福井県予選大会

概要

【日時】令和5年1月28日(土)10:00~12:30 
【会場】福井県立若狭高等学校 視聴覚室(荒天のためオンライン開催)
【参加者】若狭高校2年6名、1年1名

結果



最優秀賞 若狭高校2年 坂根 凪 演題:気づきと積み重ねによって
得られる世界

優秀賞  若狭高校2年 田辺 夏萌 演題:障がい者ために私たちが
できること 
第三位 若狭高校2年 島光 佳乃子 演題:結婚の自由と平等のために
文化連盟賞 若狭高校2年 木村 理乃
若狭高校2年 竹内 舞
若狭高校2年 山本 真由
若狭高校1年 三木 明歩

最優秀賞を獲得した坂根凪さんは、食品ロスやエシカル消費など自分ができる簡単なことが、地球規模の問題解決につながっていることに気づき、世界の大きな問題を身近に感じ、行動を積み重ねることが大切であると述べた。論旨・表現とも優れた弁論であった。
優秀賞の田辺夏萌さんは、障害や病気を持った人が偏見なく過ごしやすい環境をつくるにはゆっくりと受け入れていくことが必要であると述べた。

全国大会出場は、一校一名までという規定により、最優秀賞の坂根凪さんが、令和5年8月に鹿児島県で行われる第47回全国高等学校総合文化祭弁論部門への出場権を獲得した。

坂根凪さんの原稿

気づきと積み重ねによって得られる世界
若狭高等学校 坂根 凪 
                           
「情けは人の為ならず」これは、人に対して情けをかけていれば、 巡り巡って自分に良い報いとなって返ってくる。つまり、情けをかけるのは相手のためではなく、自分のためだという意味の言葉です。私はこの言葉を大切にしています。
ところでみなさんは、自分が自然破壊や貧困、食品ロスなどの問題を解決するためにしている行動は「本当に」それらの解決に役立っていると思いますか?私はそうは思っていませんでした。問題の規模が大きすぎて、自分の行動が問題解決の手助けになっているという実感が持てなかったからです。テレビでどれだけ様々な問題を取り上げていても、自分には関係の無いことだと他人事のように考えてしまうのです。また、自分が何かしただけで本当に解決するのか、しても意味ないんじゃないかと考えていました。しかし、その考えは高校1年生のときに大きく変化しました。
高校1年生の10月、友達が食品ロス削減のためにスーパーで地域の方から要らない食べ物を集めて寄付をしたという活動を耳にしました。当時の私は、食品ロスなんて身近に起こっているわけがないと思っていました。だからこの活動を耳にしたとき、食品ロスという問題は身近にあったこと、そしてその問題は自分と同じ高校生が解決出来るほど簡単であったことを知りました。この活動を知ってから、人参や大根の皮まで食べるようにしたり必要な分の材料だけを買うようにしたりと、自分のできる範囲で食品ロス削減ために行動をしました。こんな小さなことで変わるのかと昔の私なら思っていたでしょう。しかし、友達の活動を聞いて考えが変わった私にはそんな思いは無くなっていました。
そしてもう1つ、私の認識を変えた出来事がありました。それは去年の12月に行われたSDGsなど世界の問題に関わるものをお題としたワードウルフ大会でのことです。このゲームで私は「エシカル消費」というお題を与えられました。エシカル消費とは、地域の活性化や雇用などを含む、人・社会・環境に配慮した倫理的な消費活動のことです。難しいことのように思えますが、例えば、発展途上国などの立場の弱い生産者の商品を適正な価格で買い取ることで生産者の自立を支援するフェアトレード。そのフェアトレード商品を買うことやその土地で採れたものをその土地で消費する地産池消などがあります。みなさんも聞いたことのある言葉なのではないでしょうか。
エシカル消費という言葉自体は聞き馴染みの無いものだったけれど、調べていくうちにエシカル消費とは自分ですぐできるような簡単な活動であることが分かりました。例えば、フェアトレード商品のチョコレートを買うとどうなるでしょうか。チョコレート生産者が今までより高い価格でカカオを購入することにより、カカオ生産者の収入が増えその人達の生活改善に役立つ。また、収入が増えたカカオ生産者は様々な栽培方法を学ぶことができ、私たちはより質の高いチョコレートを食べることが出来る。つまりフェアトレード商品のチョコレートを買うだけで、自分にいいことと世界にいいことが繋がることができるのです。こんな簡単なことを継続して行うことで、地球の様々な問題は私のような高校生でも解決へ導くことができるのです。
 「問題を身近に感じること」「問題を解決するための行動を積み重ねること」、この2つが世界の様々な問題を解決するにおいて大切だと思います。食品ロスを例にあげて言いましたが、私が自分と関係ないと思っていた問題は私たちが住んでいる地球の問題です。当たり前のことだけれど、これを意識するだけで様々な問題を身近に感じられると思うのです。そして、それらの問題を解決するためにみんなで小さなことを積み重ね続けることが大切なのです。
「情けは人の為ならず」自分がした事は巡り巡って自分に返ってきます。つまり、自分が地球の問題を解決するためにした行動は自分たちが住んでいる地球に返ってくるということです。この地球をより豊かにするために、問題が身近にあることに気づき、自分から小さなことを積み始め、最終的にはみんなで積み重ね続けることが大切なのです。